積水ハウスは、紛れもなく日本を代表するハウスメーカーでしょう。
国立市のマンション取り壊しとか、地面師事件とか、あまりよろしくない話もありますが、それはそれとして、ハウスメーカーで最も有名だと思う会社をひとつ挙げてくださいと問われれば、積水ハウスが最も挙げられるのではないかと思うところです。
そんな積水ハウスについて、個人的に思うことを書いていきます。
ハウスメーカーの特徴を紹介するものではありませんので、そういった説明的なことはさらっとしたいと思います。
【積水ハウスは何を売っているのか?】
木造のシャーウッドと、鉄骨造のイズロイエの2種類が代表格です。
どちらも高耐久の外壁材や、長期保証を売りにしています。
私は木造に興味があったのでシャーウッドを検討しましたが、「シャーウッド工法」と呼ばれる工法について型式適合認定を受けるなど、積水ハウスは独自の技術が目立つハウスメーカーです。
イズロイエにおいても、制振装置のシーカスが大臣認定を受けています。
【積水ハウスの営業はどのような感じか?】
優秀だと思います。
本当の大手ハウスメーカー、という感じでしょうか。
ただ、契約が近いと見るや、今まで紳士的だったのに急に虎の様になったので、怖くなりました。
【積水ハウスの良いところは?】
先にも触れましたが、高耐久建材を用いることで長期保証を実現しているところです。
他のハウスメーカーでも長期保証はするのですが、正直なところ、積水ハウスが一番安心感がありました。
シャーウッド工法のような独自の工法は、特に男性の心をくすぐると思います。
ベルバーンやダインコンクリートといった積水ハウス独自の外壁材も、積水ハウスで家を建てたという証になりますので、地域でブランド力を示したい方に向いていると思います。
大開口のサッシにより、軒下の天井を連続させる様なクリアビューデザインも人気です。
チーフアーキテクトという、積水ハウス社内の優秀な一級建築士を集団化しており、提案力も高いのではないかと思います。
【積水ハウスの悪いところは?】
価格は、他のハウスメーカーよりも高いです。
おそらく、住宅展示場に出ているハウスメーカーの中では、一番高いと言ってよいのではないでしょうか?
また、断熱性や気密性は他のハウスメーカーの後塵を拝していると言ってよいでしょう。
シャーウッドには、断熱性を上げたスーペリア仕様がありましたが、高い追加費用を支払ってこの仕様にしたとしても、他のハウスメーカーを凌駕する様なことにはなりません。
鉄骨造のイズロイエは言わずもがな、です。
【なぜ積水ハウスを選ばなかったのか?(個人的見解)】
まず、 とにかく高いところです。
そもそもハウスメーカーというのは、工業的な生産手法により、一流の設計事務所やスーパー工務店で家を建てるよりもお得であって、かつ保証を長期化することに、その存在意義があると思います。
積水ハウスは、後者の保証面では優秀なのでしょうが、前者のコストパフォーマンスが高いとは思えません。
積水ハウスが得意な高耐久もパフォーマンスの一つではあるのですが、家はそれだけではありません。
性能や意匠も重要な評価要素です。
性能(断熱、気密など)は、ハウスメーカーの中で下から数えた方が早いため論外です。
意匠については、ネットで見られる積水ハウスの実例紹介は素晴らしく、意匠がよいと思っていたのですが、実際に完成見学会に行くと、悪い意味で「普通の家」しかありません。
何回も行きましたが、こんなものか…と思う家しかありませんでした。
こう言うと、チーフアーキテクトに頼めば違う、という意見も出てきそうです。
私が積水ハウスにとって魅力ある客でなかったということもあるのでしょうが、チーフアーキテクトどころか、そもそも設計士とも打合せをできなさそうな雰囲気でした。
ネットの情報によれば、積水ハウスや住友林業では、最初から最後まで営業がプランを描いて、設計部署はそれを図面に起こすだけということが多くあるとのことです。
学問として建築を学んでいなくても、積水ハウスのシャーウッド工法や住友林業のビッグフレーム工法という枠の中であれば、営業でさえ間取りの決定稿を描けてしまうということなのでしょう。
「私は、図面を描いてご提案する営業マンですから!」という積水ハウスの営業の言葉をふと思い出してしまいます。
さすがに、営業が描いたプランで最後まで行きたくありませんでしたから、別のハウスメーカーを検討すべく、積水ハウスはお断りした次第です。
【積水ハウスで建てることをオススメする人】
資金に余裕がある人、積水ハウスというブランド力を評価する人
断熱機密にこだわりたい人、意匠を現実的にこだわりたい人